パワハラの定義を事例とともに分かりやすく解説

パワハラの定義を事例とともに分かりやすく解説

近年取り沙汰されている『パワハラ』。

パワハラという言葉は知っていても「どこからがパワハラなの?」と、自分が当てはまるかどうか分からず踏み出せない人は多いのではないでしょうか?

そこで今回は、パワハラの定義をいくつかの事例を交えて紹介していきますので、自分に当てはまるか確認しながらご覧ください。

パワハラの定義

パワハラとは『パワー・ハラスメント』の略で、主に職場の地位関係に置いて優位な立場である人が、劣位にある人に対して精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる行為をしたりすることをいいます。

一般的にパワハラというと、上司から部下に対して行われることが多いですが、同僚間や部下から上司に対して行われるものもあります。

職場内での優位性というのは、地位だけでなく専門知識や経験などさまざまな優位性が含まれているためです。

パワハラの判断基準は「業務の適正な範囲を超えているかどうか」で決まるとされていますが、指導とパワハラの線引きが非常に曖昧なことから、誰にでも加害者と被害者の両方になる可能性があるため、パワハラ問題は難しいと言われています。

ここからは、具体的にどのような行為がパワハラに当たるのかを確認していきたいと思います。

どんな行為がパワハラに当たる?

身体的攻撃

主に殴る・蹴る・物を投げるなど、目に見えて分かりやすい暴力や傷害のことです。

例えば、上司に報告書を提出したところ、ミスがあることに腹を立てた上司が、提出した報告書で頭を叩いてきたり物を投げつけてきたというケースや、電話で営業業務をする際に上司から文句を言われ、机に座らせてもらえず立ったまま業務をさせられた、といったケースなどが挙げられます。

従業員の体を直接叩いたり蹴ったりすることや、物を投げつけて負傷させるといった行為は、暴行・傷害となる身体的攻撃に該当します。

精神的攻撃

同僚など大勢の人がいる前で執拗に詰問したり、「お前なんか辞めてしまえ」「無能な奴はうちにいらない」など、威圧的な態度でその人の地位を脅かす言葉を浴びせたり、「馬鹿だ」「こんなこともできないのか」と言うような暴言を毎日のように浴びせられることが該当します。

仕事のミスに対する注意が指導を超えていて相手の人格を否定するような発言や暴力は精神的攻撃としてのパワハラになるのです。パワハラを受けた側は、ひどい場合うつ病などの精神疾患を患ってしまうこともあります。

過大な欲求

一晩でできる業務量ではないにも関わらず「明日までに仕上げてこい」など、無理なノルマを毎日繰り返し与えてきたり、持ち帰り業務の強要や休日出勤を強要されたりすることが該当します。

単に仕事量が多いということだけではパワハラとは言えませんが、能力を超える無理な指示や、他の従業員と比べて明らかに多い業務量を課されることは過大欲求としてのパワハラになります。

過少な欲求

過大欲求型とは逆で、他の従業員と同じだけの情報を与えてもらえなかったり、自分に見合った仕事をさせてもらえないことが過少な欲求に該当します。

例えば、営業員として採用されたのに販売営業に行かせてもらえず、掃除や雑用をさせられたり、放置されてしまうといったケースが挙げられます。

ただし、中小企業では1人の従業員が複数の業務や雑用を行わなければならないこともありますので、部分的に過少な業務が混じっている場合もありますので見極めが必要です。

人間関係の切り離し

業務で必要な資料が自分にだけ配布されない、会議の日時を知らせてもらえず参加できない、同僚と同じ部屋で仕事をさせてもらえない、会社での飲み会などのイベントに誘われないなど、職場全体で仲間はずれのような扱いを受けるといったケースや、職場で話しかけても無視される、すぐ隣にいるのにメールで連絡をされる、といったケースなどが挙げられます。

不必要に個人を疎外する行為は、職場での人間関係を切り離そうとするパワハラに該当します。

個人の侵害

上司からの個人的な興味から、私生活の予定を聞いてきたり、机やロッカーなどの私物をのぞき見たりする行為などは、個人のプライバシーを侵害するパワハラに該当します。

例えば、有給休暇の申請を提出した際に「誰とどこへ行くのか?」と聞いてきたり、休日にも関わらず私的な買い物に付き合わせたりというような、仕事以外の欲求をしてくるといったケースが挙げられます。

まとめ

指導だと思って我慢していたことが実はパワハラだった、という話はよくあります。

社会に出て働いている以上、上司からの指導はつきものですが、仕事に身が入らないほどつらいストレスを感じている人はパワハラを受けている可能性が高いです。

パワハラは1人で解決するのは難しい問題ですから、まずは信頼できる人や専門の相談窓口などに相談してみてくださいね。